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CMディレクター中島 信也氏 特別講演会を開催



2014年10月15日 (水)、立命館アジア太平洋大学のH202教室にて日清カップヌードルCM「hungry?シリーズ」を手がけたCMディレクター中島 信也氏の特別講演会が開催されました。中島氏とAPU副学長の今村 正治が学生時代の友人であったため、今回の講演が実現しました。講演では時折ジョークなどを挿み、聴講者の笑いをとり、笑いの絶えない講演となりました。

斬新なアイディアでCM界の常識を変えた中島氏。彼の中には明確な目標と断固たる意思がCMに反映されていました。中島氏は、学生時代にイギリスの音楽バンド、ビートルズに影響を受け、音楽バンドを結成。その後も音楽に没頭した日々を送りました。将来は大学へは進学せずに、ミュージシャンを目指すつもりでありましたが、親に反対され、その後、武蔵野美術大学へ進学。卒業後は東北新社へ入社。他にも会社を転々とし、CMディレクターとしてのキャリアを積み上げました。

どのようにすれば上司や現場のスタッフに怒られずに済むのか、もしくは楽しませることが出来るのかについて、中島氏が考えだしたのは「相手の顔色を伺い、好かれようとする」でした。そして、このことはCM作成には欠かせないことだそうです。毎日、イイものを作っていくのにはまず、他のディレクター達に自分を売り込む必要があり、彼らの気を引いて、顔色を伺って、楽しませる。この過程はCMを作るときに常に行っているそうです。

その他にも、中島氏は2つの独自の法則を作りました。1つ目は、「何か命令があれば、それに対して、初めはクエスチョンを抱かないこと。まずは「はい」と受け取る。そして、疑問を抱く。このプロセスが日本の社会では要求されます。上司からの命令に対して、「僕はこういうアイディアなのですが…」などと言い返すと、決して上司たちも良い気持ちにはならない。とにかく、実行し、その後に疑問を抱く。この過程が現場では要求されます。

もう1つは自分の作品にこだわりを持たないこと。嫌いな人のアイディア、広告に対して無知な人のアイディアも、その中には素晴らしいアイディアたちが眠っている。それを受け取るのも作品作りにはとても需要な要素なのです。CM作成は決して一人ではできません。



中島氏は、最後に「喜んでもらイズム」という法則を説明しました。
「広告は視聴者にアクションを起こさせるのが大事ではあるが、視聴者にまず、購入意欲を持たせるのではなく、心の中に『!』を持ってもらうことが大事です。例えば、カップヌードルのCMを放送して、CMを見たからと言って直ぐに買いに行く人はいないですよね。まずはCMの表現に触れてもらい、何かしら感じてもらう。見た人の心がプラスに動くようにし、何らかのアクションを起こしてもらう。そこからCMで放送された会社のイメージが視聴者によって造り上げられます。CMをただ傍観するだけでなく、CMを通して、広告の作成者側と視聴者側との良いコミュニケーションツールになってほしいです。」と語りました。


講演終了後に質疑応答の時間をいただき、中島氏にいくつかインタビューをしました。


<CMなどの作品を作るアイディアはどこから出ているのですか?>

私たちCMを作る側は、誰が考えたかはそんなに重要視しません。みんながアイディアを出し合うため、私だけがアイディアを考えるのはほとんどないです。必ずチームで、1つのアイディアを出し合っています。私は映像のアイディアを出すのが多いのですが、チームの中には凄いアイディアを出すのがうまい人などの色んなパワーを持った人たちがいます。そんな彼らと共に協力して作るのです。
そして、アイディアの根源で一番大事なことは「自分がどういう風に感じるか」ということ。自分が体験したこと、使ったことのない商品の宣伝はできませんし、一体、これについて自分はどういうことを考えているのかが一番基本にあります。この商品って意外に持ちやすいなと思ったら、持ちやすさを全面的にアピールするし、これ、そんなにおいしくないけどお腹膨れるなら、お腹膨れるということをテーマにしようって考えます。自分がどう思っているのかは毎日の生活や自分の人生に反映されてきます。これが大本の発想です。映像にする時も普通のやり方では目を引かない。すごく大きく膨れたお腹を考えるなど、どうすればたくさん広告がある中で目立たせるのかをいつも考えています。ベーシックはリアリティーで、そこからどれだけジャンプをするのかがアイディアのポイントにもなります。

<もし、APU生がメディア社会で活躍するのであれば、要求される能力とは何でしょうか?>

APU生は色んな可能性に満ちていると思います。例えるなら、良い畑、もしくは土の入った良い植木鉢、そんな感じがします。そこで何の種を植えるかは会社や社会であり、種を植えた時にどう育つかという土を作っていると思います。APUは良い土作りの環境が揃っている。専門的なことだけでなく、全然知らないようなことの中にアイディアは眠っていて、幅広く、専門外のことを勉強することは土作りにはとても良いと思います。メディア社会ではどういう人が求められるかというよりも、どういう風にしてその中で自分の植えてもらった種を育てるかであると思う。最初はうまくはいかないし、メディア社会ではいろんなことが要求されて、理にかなってないこともたくさんあります。そこで我慢する忍耐力を持っている人だけが最後までずっと残って行くのです。我慢強さっていうのはとても現場では重要なことなのです。

<APUの学生にメッセージをお願いします。>

APUの学生は素晴らしい環境で学べていると思います。戦後の高度経済成長では、とにかく大学を卒業すればどこかに就職できましたし、先生達は頑張らなくても、学生たちが付いて行って頑張っていましたけど、今は違います。どのような大学にするのか、どうすれば学生が勉強しやすい環境を作れるのか、どのような勉強をさせるかなどを考えて大学をデザインしないといけない。大人達が学生に対して良い学校にしたいなっていう哲学や思想がいろんなところで実現されている。学生達も大人たちの情熱を受け止めて勉強に励んでほしいです。ほんとにこんな大学は中々ないと思います。

何気なく見ているCM。その裏には広告作成者の熱意や思いというのが、今回の講演で感じることができました。中島氏が仰っていた「喜んでもらイズム」によって、普段見ているCMに対して視点が変った、もしくは自分もチャレンジしてみたいと感じた人も多いのではないでしょうか。CMディレクターにとっては日常見ている光景が時にはCMのアイディアを導きだす鍵になるのです。もしかすると、あなたが見ている光景もCM作成には素晴らしいアイディアになるかもしれません。
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APU学生広報スタッフ - Student Press Assistant (SPA)
清水 貴裕(日本)