professor close-up BY AFFILIATION

PRINT PAGE

2016/09/12

キム レベッカ チュンヒ国際経営学部准教授

2016/07/13

竹川 俊一 アジア太平洋学部教授

2016/01/20

児島真爾 アジア太平洋学部助教

2015/11/16

是永 駿 立命館アジア太平洋大学 学長

2015/11/05

言語教育センター教授 梅田 千砂子先生

2016/09/12

キム レベッカ チュンヒ国際経営学部准教授


役職 : 国際経営学部 准教授
学位 : 学士、韓国外国語大学校、MBA教授法、高麗大学校、MIM、ストラスクライド大学、博士(経営研究)、ストラスクライド大学
国籍 : 韓国
主な担当科目 : 企業倫理、国際マネジメント,企業の社会的責任(CSR)比較、サステナビリティ・マネジメント, 共有価値の創造(CSV), 異文化経営論、国際関係マネジメント
職歴 : 大使館、政府関係機関、NGO, CSR コンサルティング
教職暦 : ノッティンガム大学マレーシア校、ストラスクライド大学(英国)、エジンバラ大学(英国)


今回の教授の素顔は、KIM Rebecca Chung-hee先生をご紹介します。国際経営学部の熱意溢れる先生です。


韓国で生まれ育ち、大学卒業後、数年の社会人経験を経て、イギリスのストラスクライド大学で修士課程と博士課程を修了しました。先生は25以上の国を訪れ、働いたり、旅行をしたりされていることから、研究熱心な研究者という第一印象から、自由な精神あふれる博識な先生という印象に変わりました。そして多くの貴重なことを学びました。


まず、言語と通訳に関することです。KIM先生は言語を意思のやり取りの手段として捉え、日常生活のあらゆる面で欠かすことのできない道具だと考えています。もっとも、言語は究極の目的ではありません。先生がベトナムを訪問した時の話をしてくださいました。そこで先生はベトナムの住友商事で働くAPU卒業生に会いました。その女性は英語、日本語、ベトナム語を流暢に話すことができ、日本とベトナムの懸け橋になっていました。このように、私たちはあらゆる分野で、文化的・言語的能力の両方を武器に専門家になることができ、自分の強みや価値を生み出すことができるのです。これにより、私たちは国際社会に貢献できます。それが根本の目的です。


私は韓国と日本のことを学んだ時、両国には多くの共通点があることに気づきました。しかし、違いもあるのかと思い、韓国出身のKIM先生にこの点について聞いてみました。先生によると、歴史的な問題や物事についての人々の受け止め方により、違いがあることは否めません。しかし、もっと重要なことは、違いにどう対処していけばいいかということです。違いを尊重し、理解するために、「なぜ?」「どうして彼らはそうするのか?」「どのように他者のマインドセットや文化を尊重し、好きになれるのか?」と問い続けることが必要だとおっしゃいました。したがって、コミュニケーションを取る時、聞くことが重要です。聞くことは尊重することであり、違いを理解することになります。特に通訳をする場合はそうだと、通訳をした時の経験を話してくださいました。通訳の際に、先生は常に他者の関心やアイデアを注意深く聞き、先方へ建設的なアプローチをするよう心がけたとのことでした。しかし、私は通訳は真実を変えることができるのか、聞いた通りに訳すべきではないのかという疑問を持ちました。先生の経験からは、通訳はある言語から他の言語へ言い換えるだけの仕事ではなく、両サイドにいい雰囲気を作ることも重要だそうです。すばらしい通訳とは言語能力だけでなく、文化能力も必要となります。通訳は両国の架け橋となり、一方から他方へ最も前向きで建設的な方法で考えを伝える必要があります。


次は企業倫理の話でした。先生は最近の研究でアジアにおける企業の社会的責任(CSR)に関する調査を行いました。その研究で明らかになったこととして、アジアの人々はCSRをチャリティーやPRと考える傾向があります。一方、西洋ではCSRから利益を生み出すことを考えます。しかし、先生がおっしゃるには、最も重要な要素は倫理的リーダーシップです。CSRの課題として企業は市民の信頼を得なければなりません。市民の信頼を得るには、企業は倫理的に振る舞う必要があるのです。アジアの企業の多くのCSR活動が失敗する理由としては、過去に間違った振る舞いや非倫理的な行動があり、それによって市民の信頼を失ったことにあります。したがって、企業がCSR活動を行えば、市民は企業を批判し、その結果企業は自らの価値を社会でつくり上げることに失敗するでしょう。先生に成功するビジネスの定義は何かと伺ったところ、「成功するビジネスとは、企業が社会に自らの価値を作り出すことができ、息長く存在し続けることです。それには、企業は市民の信頼を得て、社会に有益な影響を与える必要があります」と語りました。


そして、先生は昨今のビジネススクールの問題点を強調しました。最近のビジネススクールでは学生に金儲けの方法しか教えず、自らの価値を作り出し社会に貢献する方法を教えることを忘れています。学生が実社会に出ると、会社は彼らの価値の代価を払います。ですから、学生が大学で勉強しているうちにどうやって自分の価値をつくり上げるかを学ぶことは大切なのです。自分に価値がある限り、人(顧客)は対価を払うでしょう。


インタビューの最後に、APUの学生へのアドバイスをお願いしました。「APUには多くの賢く知的な学生がいます。しかし、彼らの中には時間の管理ができていない人も多いです。同時にいろいろなことを完璧に行うことはできません。最も効果的な方法として、重要で優先順位の高いものを選んでそれに集中すること。そうすることで自分の際立った価値を作り出すことができるのです。集中することが大事です!」


KIM先生は大変熱心にビジネスと社会に関することについて教えてくださいました。今後また先生にお目にかかって有意義なお話を聞くことができることを切に願っています。


※所属・役職は取材当時のものです。
APU学生広報スタッフ - Student Press Assistant (SPA)
TRAN Thi Viet Hai (ベトナム)