学長ノート

もっと花を

2015/04/13

今村 正治 元副学長

四季豊かな日本では、季節のうつろいを花や木が知らせてくれます。
梅の花や菜の花が春の訪れを告げ、日本人にとっては別格の大スターである桜が開花し散り行くまでを楽しみ惜しみ、そして新緑だ、つつじだ、アジサイだ、ひまわりだ、夏だといっているうちに、コスモスが咲き乱れ、紅葉の秋に・・・というようにね。

APUでも、春の花をキャンパスのあちらこちらに見ることができましたね。ついこの間には、バスターミナルの前の道路沿いには、立命館大学の卒業生から送られた桜が満開でした。APUから教室に向うメインストリートには木蓮の白や紫の花が、青空や夜空に映えていましたね。
でももっと花があってもいいなと思うのです。一年中楽しめるほどの・・・。

APUのキャンパスは、もとは十文字原という海を臨む緑の高原でした。高山植物も可憐な花を咲かせていました。その高原を削ったり埋めたりして、キャンパスをつくったのです。私たちは、長い歴史の中で人々が守ってきた自然を頂戴したのだから、大切に使わないといけない。つまりしっかり勉強して世の中に出て行かないと、と昨年のブログに書きました。

じゅうもんじばる という始原
https://www.apu.ac.jp/home/notes/article/?storyid=59

実は、キャンパスに花が少ないということは、無理も無いことなのです。
APU開学から今日まで、APUという奇跡のような大学をつくるために、教職員はわき目も振らずに働いてきたのです。学生たちは、強風に吹きさらされ、霧に惑いながら、懸命に学び、自身の進路を切り拓いてきたのです。APUのこれまでの歩みは、花を植え、育てているどころではなかったのです。
まさに日本の古すぎる歌にある「花も嵐も踏み越えて」なんです。
ですから花が少ないのは、むしろある種の「勲章」とも言えなくもないのです。

そこで、こうしてみんなで創りあげてきたこのキャンパスだから、今度はみんなで花咲き誇る、木々豊かな美しいキャンパスにしたいのです。できればみなさんの故郷の花や木でね。教職員、学生や市民のみなさんが、四季おりおりに思わず足を止めて、きれいだな~、かわいいな~、なつかしいな~と感じるようなAPUガーデンをつくりたいのです。
卒業してからも、花や木とともにときどきは学生時代の思い出がよみがえり、胸がキューンとなったり、微笑みがこぼれそうになったりして、「あ〜別府に帰りたい」とつぶやくように眠りにつく、なんてことがあってもいいなと思うのです。
さあ、どんなことができるでしょうか?


ところで、草ぼうぼうだった正門あたりがきれいさっぱり丸坊主になりました。
なんか植えられたがっている感じがしませんか。


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