学長ノート

新入生へのメッセージ

2014/09/19

是永 駿 第3代学長

この秋、642名の新入生を迎えて、現在APUに在籍する学生は、国際学生2,666名、国内学生3,134名、計5,800名です。新入生の皆さん、おめでとうございます。

APUは創立15年目を迎えました。APUは日本を代表する国際大学です。世界トップの多文化環境を誇るこのキャンパスは、日本列島の中の特異点、特異な「トポス」であり、アジアの中の特異な「トポス」です。ここは、皆さんが4年間の学生生活を通して、自分の人生を切り拓く場所です。自分は何をしてこの一生を送るのか、どのように生きていくのか、それを探す場所、それが大学です。4年後にこの大学を巣立つ時、「今、まさに自分の人生が始まるのだ」と自信をもって言える、そういう大学生活を送ってください。

APUの教育を構成しているのは、すぐれた専門教育、徹底した言語教育、そして国際正義(グローバル・ジャスティス)を中心とするリベラル・アーツです。APUは経営学、経済学、社会学、国際関係学などの社会科学に特化した大学です。自分の専門とする分野で深い知識を蓄えてください。世界は力による支配、リアル・ポリティックがのさばり、戦争や暴力に多くの人命が日々失われる悲劇は止みそうにもありません。しかし、戦争や暴力からは何も生まれません。人類は対話による和解と寛容へと向かうべきです。人間世界をコントロールする、マネッジするのは、武力や暴力ではなく、文明を統括する知恵なのです。

APUは開学時から多様性を追求してきました。多様性の中から創造性が生まれ、新たな価値を生み出す知恵も芽生えます。どこの国から来ようと、APUは異文化環境、多文化環境です。この多様性が進化のエネルギー、新たな価値の源泉なのです。この多言語・多文化環境が自国の文化を見直すきっかけを皆さんに与え、自己と他者とを相対化して見るというグローバル人材の意識の根幹が育つのです。

そして、異文化理解を根底から切り拓くのは言語です。なぜなら、言語はコミュニケーションツールであるとともに、その言語を用いる文化圏の根幹を形成する決定的な因子だからです。APUは日英二言語の強力な言語プログラムのほかにAP言語として6言語のコースを提供しています。まずは、英語基準の国際学生は日本語、国内学生は英語に取り組み、プラスワンでさらに1言語に挑戦する、母語を含めて3言語の能力を持つというのがこれからのグローバル・スタンダードになるでしょう。

日本には約750校の大学がありますが、文科省は今年、日本の大学の中から、スーパー・グローバル大学としてトップ30校を選ぶ事業を立ち上げました。APUは世界一の多文化環境をもとに、世界一のグローバルラーニングを目指すプロジェクトを申請し、その結果がまもなく公表されます。私たちは30校の中にみごと選ばれることを確信しています。そして、APUは、新しい次元へ、世界から評価され、選ばれる大学に進化を遂げることでしょう。この未来があふれるキャンパスで、思考を鍛え、心を鍛えて、学生生活を楽しんで下さい。そして文明を制御し発展させる未来を切り拓いて下さい。



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