学長ノート

10年たったら

2014/03/20

今村 正治 元副学長

卒業式と入学式。2週間ほどの短い間に、たくさんの学生が社会に向かい、同じだけの新入生がやってくる。こんな世代交代を一年に2回もやっているところはちょっとないなと改めて思うのです。大学の生命力を実感する時期です。APUはそれを春と秋にやっているんだから、元気なはずです。

今年卒業していった人たちも、世界中、日本中からAPUをめざしてきてくれた。 バスに自動車に揺られ、あるいは船で、馬やラクダで(いないか、でもいてもいいね。APUだから)、もちろん最終的には飛行機でやってきた。そういう人たちが、別府の天空で、数年間同じ時間を共有している。まさに地球規模の合縁奇縁ですね。

準備万端、ビシッと卒業していった人、もう卒業かあと首をかしげながら背中を押されるように卒業していった人、今年もいろいろな卒業があったでしょう。残念ながらまだ卒業に届かなかった人もいる。でも、現在の状況で、あるいは今から数年後で、有頂天になったり、自分にガッカリしたりしてはいけない。

確かに、人生のスタートとしての卒業は大きな転機、最初の一歩をどう始めるかは大事です。でも、10年ぐらいで自分の位置を一旦しっかり見つめ直してみるぐらいの視野も必要だと思うのです。そんなことを僕は、最近出会う卒業生から教えられているわけです。

卒業後、いくつかの国で働き学び、いくつかの企業で経験を積んでいる卒業生、もちろん、ひとつの国でひとつの企業でずっとがんばっている卒業生もいる。起業をした卒業生もいる。新入生のみなさん、在校生のみなさんは、たくさんの先輩たちの生き方から学んで欲しい。10年というスケールでね。

さよならだけが、人生ならば、また来る春はなんだろう―誰の言葉だったか。 そう、さよならの後に、春は必ずめぐって来る。秋もね。幸福でも悲しくやりきれなくても。



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