学長ノート

キビタン

2014/03/03

今村 正治 元副学長

僕はキビタン。そうは見えないかもしれないけど、東北・福島生まれの福島育ちの鳥なんです。
今年の1月から、立命館アジア太平洋大学(APU)にいます。福島県と立命館学園がいっしょに震災復興を進めましょうということになったので、僕は、京都の立命館大学から大分別府のAPUへと旅を続けています。立命館大学には去年の終わりに行ったんです。実はそのころ、震災の後、病気や生活疲労などで亡くなった福島の方が、津波や地震など震災で亡くなった方1599人を上回ったという辛いニュースを聞いたばかりで。「FUKUSHIMA」の復興がどんどん遠のくような気になってたところでした。

でもね、立命館大学でたくさんの笑顔が迎えてくれました。みんなとわいわい僕たちの計画「ふくしまからはじめよう」の話しをして、暗くなったころ、キャンパスで会津の絵ロウソク千本を灯しました。きらめく星の海のような希望の灯り。僕はときどき、この日のことを、静かに思い出しています。

ここに来てすぐ、学生と卒業生が、フィリピンの台風30号被害への支援にとりくんでいることを知りました。東日本大震災のときも、インドネシアスマトラ沖地震のときも、APUのみんなは真っ先に支援に動いたんだって。地球のあちらこちらで災害や紛争に苦しんでいる人たちに対する感受性、そして行動力、これがAPUなんだ。福島のみんなにもいますぐ伝えたい、僕の自慢になりました。

もうすぐ震災から3年。でも、今もまだ県の中と外で、12万人を超えるみなさんが避難生活をされています。東日本の被災者全体では27万人、大分でも127人が暮らしてます。復興はまだまだ長い道のりです。これからも東北を、福島を、どうぞよろしくお願いします。 福島には、美しい福島、おいしい福島、楽しい福島が、いっぱいいっぱいあふれてます。あたたかくなるころ、ここのみんなを案内できればいいなと思っています。

*キビタンは福島県復興のシンボルキャラクター。福島県の鳥「キビタキ」に由来しています。キビタンは現在、A棟4階学長室の入り口にいます。

 

*立命館大学の福島応援ミュージック映像はこちら。



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