学長ノート

紛争解決は対話を通じて

2012/10/04

是永 駿 第3代学長

アジア太平洋をめぐる国際情勢は、皆さんご存知のように、領土をめぐる対立、衝突が生じている。こうした情勢を見るにつけ、APUのミッションである「自由、平和、人間性」は単に高尚な理想としてかかげているのではなく、現実に進行している事態を解決する具体的な方法としてあるのだ、という思いを強くする。武力や暴力に訴えるほど愚かな方法はない。あくまでも対話による解決をめざすのが、21世紀に生きる人間のとるべき方法であろう。20世紀の戦争と暴力の悲惨な歴史を経験した人類は、その経験を無駄にすべきではない。

APUは、すぐれた多文化環境のもとで、アジア太平洋地域の相互理解と未来創造を追求する教育機関であり、アジア太平洋地域の平和共存のために存在しているとも言える。紛争当事国も、見解をことにする双方がエビデンスをもとに、ねばりづよい対話を続けることから、解決の糸口を見つけることを期待したい。真理はすべてに優先し、すべてに打ち克つ。相手を一方的に断罪するのではなく、自らが真実と思うものを双方が提示しあうことからしか、歴史の真理は生まれない。



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