立命館アジア太平洋大学

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元国連事務次長明石康氏がAPUで特別講演

講演・シンポジウム

2014/11/11

2014年10月24日(金)、元国連事務次長明石康氏が来学され、「世界における日本の挑戦」をテーマに、特別講演会を行いました。会場は、多くの国内、国際学生で埋め尽くされました。



明石氏は、日本人初の国連職員であり、在職中は国連事務次長や事務総長特別代表としてカンボジアの選挙サポートや旧ユーゴスラビアにおけるPKOの指揮にあたりました。

はじめに、戦後の日本の平和主義を支持していると前置きした上で、日本国憲法前文と第9条について触れ、「第9条1項は国際紛争における武力の使用を否定するものであり、国連憲章と一致しているものの、2項は戦力の保持の禁止と交戦権の否定をうたっており、あまりにも理想主義である。」と話しました。現在の日本を囲む国際情勢を鑑みると最低限の自衛力は必要であるとしました。現在議論されている集団的自衛権の行使にも触れながら、日本には自衛隊があり、個別的自衛権も集団的自衛権も必要であるとし、自衛権の濫用は慎むべきだが、その最小限の行使は承認されるものとしました。国連憲章51条にも、安全保障理事会が必要な措置を取るまでの間、個別的および集団的自衛権を害するものではないと書かれていると言及しました。

「国際政治においては、最低限の武力が抑止力になる。軍拡競争にならないために、自制心と透明性をもったバランスオブパワーの実行が大事であり、保険としての同盟関係の維持は大事である。透明性と対話、及びユートピア的考えではなく現実に基づいた評価が大事である。」と話しました。
また、自身がユーゴスラビアでPKOの責任者であったとき、PKO3原則(紛争当事者の合意、国連の公平性、自衛以外の武力不行使)に基づいた運営の難しさを経験したと話しました。実際の国際関係では白黒(善悪)つけられず、灰色の場合が多い。その場合は、平静心を持ち、同僚と徹底的に議論をするなどして、その時点での唯一の正しい判断をするようにしたとのことでした。



最後に、日本および日本人がすべきこととして、ODA(政府開発援助)を増やすこと、平和維持に参加することなどを挙げ、その中でも特に国境を超えた個人の間での真心の対話が必要だと述べました。政府間では忌憚なく話すことは難しいが、個人として、特に学生である今は自由になんでも話すことができるという特権があるのだから、それに挑戦してほしい、それが将来の財産になるというエールを学生に送りました。

明石氏は終始英語で講演を行い、日本人の苦手な英語について、国連での40年に渡る勤務経験から、アクセントや発音は大事ではなく、話している内容こそが大事である旨話されました。


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