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BOT・PPPを通じた社会基盤施設の整備と資金調達に関する国際ワークショップを開催

講演・シンポジウム|来学者

2011/3/8

2011年1月28日(金)、アジア開発銀行(ADB)南アジア局運輸スペシャリストのタイ・リィー・ミン氏やADB民間融資局主席ストラクチャード・ファイナンス・スペシャリスト深谷くるみ氏を迎え、BOT・PPPを通じた社会基盤施設の整備と資金調達に関する国際ワークショップを開催しました。


まず、タイ氏が「公共部門におけるインフラ・プロジェクトの開発と運営」を、深谷氏が「BOT・PPPによるインフラ整備とプロジェクト・ファイナンス」を議題に、海外のインフラ整備に対するBOT (Build, Operate and Transfer)*、PPP(Public Private Partnership )* の取り組みとプロジェクト・ファイナンス*の仕組みについて講演しました。

また、海外の社会基盤施設プロジェクトに対する日本企業の参入拡大は、日本の産業界が直面している最重要課題の一つであることから、ワークショップには九州電力の参加もあり、同社海外事業部副部長 土屋氏が九州電力の海外でのBOTに関する事業展開について発表しました。その後、塚田 俊三APS教授による基本概念の解説も含めた全体的ファシリテートのもとに討議が進み、参加者からの活発な質疑も得て、3時間30分にわたるワークショップは終了しました。

塚田教授はワークショップを振り返り、「国内市場が加速度的に収縮する中、海外インフラ整備に対する日本の産業界の関心は急速に高まっています。しかし、これまでの日本企業の受注実績は不満足な結果となっており、その要因として、プロジェクト・ファイナンスの仕組みと本質に関する理解不足とインフラ・プロジェクトに係る海外経験の不足が推測できます。今後は、官民一体となったマクロベースでの取り組みも重視しつつ、プロジェクト・ベースでの我が国の企業集団の競争力強化とリスク耐性の引き上げを図っていくことが肝要です」と述べました。





ワークショップは英語基準で進みましたが、学生のほか市民も参加し、課題に対する関心の高さが伺えました。APUでは今後も、適切な講義を地域社会に公開し、より一層地域に開かれた大学を目指します。

*BOT(Build Operate Transfer)
民間事業者が、政府等公的機関が許可したプロジェクトを、自ら建設(Build)し、一定期間、管理・運営(Operate)を行い、その後当該施設を上記公的機関に移転(Transfer)する仕組み。

*PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)
広義には、公共(Public)と民間事業者(Private)がパートナーシップを組み、事業を行う官民協力の仕組みを指す。ここに言うPPPは、上記で述べたBOTプロジェクトに対し公的機関が投資資金の一部補助、最低収入補償等を賦与することにより、民間事業者のBOT参入を容易にするための制度を指す。現在海外においてインフラ整備等のため幅広く取り入れられているものは、後者におけるPPPである。

*プロジェクト・ファイナンス
通常、新規事業に対する資金調達は、自社の財務内容や資産等を担保に行われるが(コーポレット・ファイナンス)、プロジェクト・ファイナンスの場合は、このような担保を取らず、事業(Project)の有望性、言い換えれば、当該事業の将来収益のみをベースとして資金調達を行う。



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