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学生生活|イベント
リスボンの空に響く、和太鼓の力強い音。
2013年6月15日(土)、ポルトガルの首都、リスボンで開催された「ジャパン・フェスタ」に、APUの伝統芸能サークル・和太鼓“楽”の姿がありました。「ヨーロッパの人々は反応がはっきりしていて、和太鼓を聞いてスタンディング・オベーションをしたり、心に響いたことを大いに表現されたりしていました。和太鼓を続けてきて良かったと心から思いました」。こう振り返るのは、今回、団長を務めた松井 研人さんです。
「ジャパン・フェスタ」はポルトガル最大の日本文化紹介イベントで、日本文化に関心を寄せる観客がリスボン中から訪れるといいます。そんなフェスタのオープニングを彼らが飾ったのです。
和太鼓“楽”は、日本の伝統的な打楽器である和太鼓を演奏するサークルで、力強いパフォーマンスがキャンパスで人気を呼んでいます。関心の高さは、リスボンも例外ではありませんでした。聞く人を圧倒する和太鼓の音が野外ステージ周辺に鳴り響き、会場を埋め尽くす約2,000名の観客の多くが総立ちでカメラを片手にパフォーマンスに聴き入っていました。
この公演は、APUで教鞭をとられたことのある在ポルトガル日本大使館 藤村 和広公使とのご縁から始まりました。ポルトガルと日本との交流470周年に当たる今年、ポルトガルの地でAPU学生による日本の伝統文化の紹介ができないかとのお申し出があり、日本の文化的な象徴であることと、これまでの海外での公演経験をふまえて、和太鼓“楽”が特別招聘されたのです。
実は、ポルトガルに降り立った学生サークルは、もう一つありました。荒馬“緒”です。荒馬踊りは、華やかな衣装と、馬を表した飛び跳ねる踊りが特徴的な青森県の伝統舞踊です。「ジャパン・フェスタ」から遡ること3日、リスボン最大のリベルダーデ大通りで開催されたパレードに、日本から初めて出演したのです。パレードは、ポルトガルを代表するお祭り「リスボン・フェスタ」の催しの一つで、観客の数は延べ15万人に上ります。伝統あるこのパレードに外国の学生が参加できるのは画期的なことだそうです。
パレードの両脇には見渡す限り観客が詰め寄せ、物凄い熱気で溢れていました。そしてここでも、縁を感じる出来事がありました。それぞれのサークルの創設者である卒業生2名が、噂を聞きつけ、ドイツとオランダから駆けつけてくれたのです。卒業生も急遽参加することになり、創設者と現役生とのコラボレーションが実現しました。荒馬“緒”代表の三浦 詩帆さんは、「パレードでは、私たちの掛け声と観客の声が一体となって響き合いました。この素晴らしい体験に、メンバー一同とてもいい表情をしていました。藤村先生をはじめ、練習に付き合って下さった先輩や同期のメンバー、家族にも感謝を伝えたいです」と当日を振り返るとともに、感謝の言葉を述べました。
このほかにも、荒馬“緒”と和太鼓“楽”は、APUとの交換留学協定大学であるリスボン大学ISCTEビジネススクールで公演を行ったり、アジアをテーマとした「オリエント博物館」で、荒馬の踊り方と太鼓の叩き方のワークショップを開催したりするなど、日本文化に関心を寄せる地元の人々と、伝統文化を通して交流を楽しみました。
今回のポルトガル公演は、在ポルトガル日本大使館の全面的なサポートとご協力により実現し、日本の伝統芸能の素晴らしさをポルトガルの人々に伝えるだけでなく、卒業生や関係者との縁をも感じる出来事となりました。参加した22名の学生たちは貴重な体験に心から感動し、これからも、ますます盛んに日本の伝統文化を多国籍キャンパスのAPUから発信していきます。