11月17日(金)、18日(土)の2日間にわたって、立命館アジア太平洋大学研究センター(RCAPS)の主催で、「アジア太平洋地域における国際移動」をテーマとした2006立命館アジア太平洋コンファレンスが開催されました。このコンファレンスには国内外の専門家や著名な研究者が参加し、アジア太平洋における国際移動に関わった理論的、方法論的、実証的、政治的諸問題についての分析と論議が展開されました。
  ミレニアムホールでの基調講演にはノーベル化学賞受賞者(1986年)で本学のアカデミック・アドバイザーの李遠哲氏と、元駐日フィリピン共和国特命全権大使で本学インターナショナル委員のAlfonso T. Yuchengco氏をお招きしました。
 

  学生や教職員、地元の市民など700人を超える聴衆を前に、李氏は「グローバル化途上の社会における頭脳流出、頭脳流入、頭脳循環」をテーマに熱弁を振るわれ、「グローバル・ヴィレッジ(地球村)の善良な市民となるために、我々は速やかに学び、そして若い人たちに地球的視野を身につけることと、異なる人々の異なる文化を敬い、価値を認め、そして理解することを教えることが必要」と強調されました。
  続いて、Alfonso T. Yuchengco氏が「多国籍事業とアジア太平洋における外交」について講演され、アジア太平洋における平和が、相互利益の均衡を築くものであることを強調し、聴衆に向けて「東アジアの次世代を担う皆さんが、未来の政治、経済、文化の指導者となり、この地域の繁栄を確かなものにすることを願っています」と力説されました。
  講演後の質疑応答では、李氏に対しては、数多くの国際学生から「頭脳循環」や「ナショナル・アイデンティティ」「メディアの役割」など、テーマに即したものや自国に関連した特有のことなど、種々の質問が寄せられました。また、Alfonso T. Yuchengco氏に対しても、講演に関することや氏自身の実業家そして大使としての経験についてなど多種多様な質問が相次いで出されました。
  この2日間のコンファレンスでは、同時に多くのセッションも開かれ、世界物流、移動、IT、貿易・投資・工業、観光に関わる世界各国から集まった研究者による研究発表も行われました。
  コンファレンスの報告書は出版され、一般にも入手できる予定です。




   

ノーベル化学賞受賞者(1986年)
中央研究院前院長


 今回のコンファレンスでAPUに来学でき、とても光栄に思います。アカデミック・アドバイザーとして、開学前よりAPUの成長を見てきましたが、「教育」を通じて異文化を理解し、言語や習慣の違いを尊重することを学ぶというAPUの教育方針を高く評価しています。地球上の平和は相互理解の上で成り立っており、そうした点でも、世界中の学生がキャンパスに集うAPUは素晴らしい学びの場であると思います。学生の皆さんは、積極的に勉学に励み、未来をしっかり思い描きながら、これから直面する多くの試練の解決策を導き出して欲しいです。




   
ユーチェンコ・グループ会長
元駐日フィリピン共和国
特命全権大使


 世界70以上の国・地域より集まった学生同士が、互いを認め、受け入れて学ぶ様子から、APUが協調性の大切さについて世界に向けて力強いメッセージを送っている事が伺えました。立命館学園の一員であるAPUは日本でも優れた大学の一つであり、基調講演後の学生から受けた質問の分野の広さに感銘を受けました。また、フィリピン出身の学生からAPUで学ぶ楽しさや将来の展望について直接聞くことができ、大変満足しています。これからも彼らがフィリピン人として誇りを持って、フィリピンと日本の関係を強める未来のリーダーとなることを確信しています。





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アジア太平洋海域シンポジウム
〜海が結ぶアジア〜
2006立命館アジア太平洋大学コンファレンス-
アジア太平洋地域における国際移動
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